二尺三寸の刀身の重さは、一般的に200グラムから600グラム。その刀身に鐸や柄、切羽等、刀装具を施して、鞘を払った(輸を抜いた)抜き身の状態で400グラムから800グラム程度となる。鉄で作られているため重いのはあたりまえだが、やはり実際の戦で使用する場合、多少でも軽ければ戦いやすく有利なのは当然だ。日本刀の刀身には、縦に一本「樋」と言われる溝があるが、これは曲がりにくくする、衝撃を吸収する理由の他にも、少しでも扱いやすくするための機能も担っている。戦が始まると、日本人が持つ日本刀の存在意義を疑う余地がなかった。理由は、討ち取った敵の首を斬り落として初めて、手柄が認められたためである。そのような意味から、日本刀が最も役立つ武器なのかもしれない。しかし、攻撃する場合「弓矢」が一番有効であるとする意見も多く聞かれる。遠方から敵を狙うことができるためである。実際、戦で一番たくさんの敵を倒 した武器は、弓矢であると言われている。 日本刀を用いた接近戦においては自分も斬られてしまう確率が高い。生き延びるためには少しでも相手から距離を取って攻撃したほうが良い。このような考えでは 刀〈 槍〈 弓矢 という順番の利便性となる。日本刀をつかった戦いは、討ち死にの覚悟がある場合のみ行われるという意見も聞かれる。
弓矢は特に攻撃には有効だが、不意に誰かから襲われた場合に役立つかといったら、それは難しい。その点では、槍が充分に威力を発揮する。しかし、常時携行する場合は長く不便である。腰に差して歩くこともできないため、いつも手に持たなければならないのも大きなマイナス点である。抜き身で持ち歩く危険を心配してカバーをつけた場合、いざという時にカバーが外れず時間がかかってしまう。このような欠点すべてを補うことができるのが、日本刀である。この点については、何度も議論されている。血や脂が付着すると斬れ味が低下する可能性とか、も議論の対象となる。一人でも斬ると刃こぼれが発生するか、いやそんなことはない、三人は可能、いや10人まではいけるのではないか、などもよく議論される。